ホームセンターや雑貨屋さんでよく固まる砂に植えつけられたミニサボテンを見かけます。
あれは可愛い。ちょこんと飾っておきたくなる。でも、固まる砂に植えたままではいずれしぼんで枯れてしまいます。即刻植え替えてあげましょう!
小さなサボテンを固まる砂から救出して上手に植え替えるためのミニサボテンに特化したコツを紹介します。
固まる砂からレスキューします!
ホームセンターを2軒回って固まる砂に植わっている可哀想なサボたちを5鉢連れて帰ってきました。というか、連れ帰ってきてしまった。だって可哀想なんだもん。これ以上増やしてどうするんだと思いながら。
底穴のない1.5号鉢に植えられています。柱サボテンはあまりたくさん持たないことにしているのですが、この子はちょっと珍しい感じがしたのでつれて帰ってきました。
左の柱サボテンは大王閣、右のとげっこは花笠丸と思われます。
左上は2号鉢です。誰なんですかね これは。ギムノカリキウム属のアチラセンセが一番近い感じなのでそーゆうことで育てます。
右上はブラジリカクタス属の雪晃です。株立ちになってるわけではなく、ひと所にみっちりタネをまいたもので、一番小さい子は5ミリくらいしかありません。下はギムノカリキウム属の尾形丸です。
植え替えのために用意しておくとよいもの
○竹串か長めの釘
固まる砂から出すときは根を傷つけないように気をつけます。丸い玉のタイプは竹串が刺さりますが、雑貨屋さんに置かれているようなものの中にはかっちかちに固まっていることがあるので釘がお勧めです。
鉢ごと水に漬けて固まる砂の糊を緩める方法もあります。
○メネデール
芽と根が出るからメネデール、植物活力剤です。植え付け前に使うと良好なことが多いです。
○荒めのふるい
大きなサボテンは用土をふるいにかけて細かいみじんを除いてから植えますが、固まる砂出身の球径3センチ前後の小さいサボテンはみじんの方を使って植えつけたほうが安定します。
ほじくり出してみます
固まる砂に植わっているものの中には、根を鉢の底に接着剤でくっつけてあるようなものもあります。抜くときに極力根を傷めないようにしたいので、絶対に引っ張らないで下さい。
プラ鉢の雪晃はむにゅっと握っただけで外れました。
こういう固まる砂の鉢は、表面だけ固めて中がすかすかだったりいくらか土がついていたりとさまざまです。今回抜いたものはみっちり粒々が詰まっていて土も少なくほとんど根がありませんでした。
えっ?!固まる砂の中ってこんななの?
そうだよー こんなんじゃ育つわけがないよね
サボテンの植え替えについて調べていると根を短く切るということが書かれていますが、固まる砂から抜いたサボテンはそこそこ根が残っていても根を切らないほうが安全です。
固まる砂がサボテンの根や球体にくっついて完全に取り除けなくても無理をせずにそのまま植えちゃってください。育っていくうちに自然に落っこちます。
発根させるためのひと工夫
固まる砂出身のサボテンはたいていが水不足になっています。なんぼサボテンが乾燥に強い植物だとは言え、直系3センチに満たないサイズだとそもそもの体力があまりなく、根を出す前にしぼんでしまうことも多々あります。そこで、メネデール浴をさせて発根を促します。
メネデールの5倍液を作り、その中にぼちゃんと漬けて1時間くらい放置します。
メネデールの残りが少なくなっていたので底穴のない1.5号鉢でメネデール浴をしています。これは根っこだけ浸かっていますが全体が浸かってしまっても大丈夫です。
これで確実に新しい根を伸ばしてすくすく育つと確約は出来ませんが、メネデールはそんなに高いものじゃありませんから何もせずに植えるよりも発根確率が高いので試してみてください。早ければ1週間くらいで新しい根を伸ばし始めて新トゲを出してきます。
鉢と土の話
ここまできたら適当に植えちゃえばOK?
固まる砂から救出したばかりのミニサボテンはあとひと手間かけたほうがしっかり根を出すことができるんだよん
鉢の選び方
鉢は必ず底穴の空いたものを使ってください。買ったときの鉢が可愛いとそのまま使い続けたくなりますが、底穴のない鉢は水管理がとても難しくて失敗しやすいです。
サボテンは球体サイズに比べて大きすぎる鉢に植えるとさっぱり育たず、むしろこんなに小さくて大丈夫か?という鉢に植えるとよく育つへそ曲がりです。小さい鉢の方がよく育つのにはちゃんとした理由があるのですが、ま、それは別の記事で紹介します。
鉢は出来るだけ小さいものを用意してください。私は現在60鉢(なんだかんだで80鉢を越えてしまいました)くらいちっこいサボテンを育てていますが、1.8号と2号の素焼き鉢をメインで使っています。
小品盆栽 仕立鉢 ドイツ製 5cm 10枚 1.8号 硬質素焼き鉢
かつて3号の鉢を初めて見たとき小さくて可愛い♪と思いましたが、1.8号鉢の小ささに慣れると3号鉢が巨大に感じます。ここまで小さいと数があってもさほど場所をとらないのであります(笑)とは言え、いずれは大きくなります。その時どうするかはその時考えます。
小さい鉢を用意できないときは、鉢底石をたくさん入れて土が多くなりすぎないようにすると失敗しにくいです。
土の選び方と作り方
ほとんど根がないような小さなサボテンを植えつけるための特別な土はありません。市販の水はけのいいサボテンの土で大丈夫です。よほど凝るのでなければ。
ただ、鉢のサイズと置き場所で他の土をブレンドしたり細かく砕いたりといった手間をかけたほうがよく根が出ます。植えつけたらたっぷり水を与えてください。
サボテンの育て方を調べていると、植え替え直後は水をやらず、1~2週間後くらいに与えるとしているものもあります。それはそれで間違いではありませんが、固まる砂から救出したミニサボテンに関してはそもそも水が切れ気味のことが多いのですぐに与えたほうが安全なようです。
主に室内管理
室内で管理するにしても出来るだけ日光と風通しを確保してください。サボテン徒長させずに室内で育てるのは至難の業です。
主に室内で管理するときはとことん水はけ重視で選びます。
ゴールデン粒状培養土 サボテン・多肉植物用 GRB-SB5
ペレット状に固められた黒い土と1~2ミリくらいの軽石が入っています。とにかく水はけがいいので鉢が大きすぎても過湿状態になりにくい利点があります。室内管理ならこの土がお勧め。
欠点は粒が大きいので根が少ないミニサボテンは植えつけても安定しづらいこと。そのまま使わずに半分くらいのサイズに崩してから植えつけるといいです。
※ ゴールデン粒状培養土は現在は仕様が変わって軽石のサイズが1~2ミリで小さいサボテンでも植え付けやすくなっています。
大きめの鉢で屋外管理
屋外管理の場合は、いきなり日なたに出さずに半日陰(半透明のポリカ波板越しくらいがベスト)にしばらく置いて様子を見てください。(私はモノによっては3日で日なたに出してしまいますが)
多肉植物・ミニ観葉の土 1L
そこそこ保水力もあるし粒が小さめなのでそのまま使えます。あれこれブレンドするのは面倒だ!という時はこれがお勧め。
小さい鉢で屋外管理
ちっこいサボテンに付き物の徒長とは無縁の育て方です。一見乱暴に見えますが、根が出さえすれば小さくても強いのがサボテンのいいところです。
屋外管理の場合はある程度の保水力を持たせないと鉢が小さいためにすぐにからからに乾いてしまいます。そこで保水力プラスのためにブレンドします。
そのまま使うと乾きすぎてしまうので屋外管理で単用は向きませんが、黒い粒は鉢底石の代わりに使えます。鉢が小さいときは便利。
小粒タイプの赤玉土をゴールデンサボテン用土と半々に混ぜ、突き崩して全体の粒を半分~1/3のサイズにして植えつけます。
サボテンの育て方を本やサイトで調べると用土はみじんを除くように書かれていますが、サボテンのサイズが3センチ前後の小さいものは土の粒が小さいほうが根の食いつきがいいのです。
このほかピートモスが入ったタイプのサボテン用土(シャコバサボテンの土など)も最初の根出しにはけっこういい感じで根を伸ばしてくれます。
植えつけた後の注意点
植えつけたら全体の様子や成長点付近がどうなっているかを覚えておいてください。写真撮っておくのもいいです。新しいトゲが出てきたり全体に張りと艶が出てきたら根が動き始めた証拠です。
早く根を出さないか気になると思いますが、抜いて確かめるのは厳禁です。鉢をゆするのも止めた方がいいです。根が動き始めるまでは極力触らずそっとしておくのが固まる砂からレスキューしたミニサボテンの根出しのポイントです。
固まる砂出身のミニサボテンは根がほとんどないことが多いですから、乾かし過ぎないように注意します。底まで完全に乾く前に水を与えてください。
めでたく根が動き始めたっぽい!となった後の管理はまた別の記事で。
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